
彼女との別れ
たっけ(@takeee814)は短編小説を書いております。
急にですが、人生ってたくさんの決断の連続ですよね。その中で大きい部類なのが、就職、結婚だと思います。今回は、就職活動に焦点をあてて小説を書いております。
人生の岐路に立った時、どのように決断すればいいのか悩んでいるあなたに読んでいただければ嬉しいです。
登場人物
岩橋こうた(23) 学生
山城さくら(23) 学生
八木仁平(70) 老人
スズキさん (45歳) 面接官
大学の食堂(15時ごろ)
食堂はランチタイムを過ぎて静まり返っている。そこで岩橋こうた(23)と山城さくら(23)は遅めのランチをとっている。
二人は現在、就職活動真っ最中。地元の札幌から一緒に上京してきた。高校時代から付き合っているので、期間としては5年間ほど付き合っている。
さくら「こうた、直接報告したかったから内緒にしていたんだけど、札幌テレビのアナウンサー職内定もらえたよ。」と非常に喜んだ表情で伝えている。
彼女の夢は、小さい頃からアナウンサーになること。さらに、こうたと就職したら一緒に地元に戻ることを約束していた。
こうた「突然で驚いたけど、本当に夢がかなったんだなおめでとう。俺も地元の人材会社には内定をもらえてるから、これで一緒に地元に戻れるな。」と少し曇った表情で伝えた。
それもそのはずだ。彼の第一志望は映画制作会社。東京の制作会社はほとんど落ちていて、来週最後の望みである会社の最終面接がある。
映画制作会社の会議室
こうた「世界中の人が感動する映画を作りたいと小さい頃から、思っていました。だからこの会社で、一生をかけて夢を実現したいのです。」と会議室内に響き渡る声で伝えている。
10秒ほど間が空いたのち、
スズキ(面接官)「これからよろしくな岩橋くん」と近づきながら声に出す。
そして、強く握手。
帰りの電車
こうたは優先席に座っている。ふっと顔をあげると、老人(八木仁平)が目の前にたっているのに気づいた。すかさず席を譲る。
八木仁平「ありがとうお兄さん。でも、少し顔色がくもってやしないかい?
一つおじいさんから、助言しておくね。
人生は自分が進むべきだと決めた道に進みなさい。人の人生など決して生きるでない。」
学校の食堂
さくらは友達と幸せそうに談笑しながらランチを過ごしている。
電車の中
こうたは顔を引き締めて、電車を降りた。見上げた空は雲ひとつない青空だった。
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