
あらすじ
僕の名前は、常道雄大(25歳)。大学院でメディア論を学んだのち、渋谷のIT企業に新卒で入社。新卒として働いている。
僕は、昔から朝が非常に苦手である。朝ごはんに自分が食べたいもの、たとえば、ラーメンやハンバーグなどを準備していなければ起きることは難しい。会社に行かないと、って欲求で起きることはないだろう。僕に朝を迎えさせてくれるのは、美味しいご飯だけ。そんな僕にはもう一つの強い欲求がある。それは、”電車で座りたい”ということだ。優先座席はおじいちゃん、おばあちゃんなど関係ない。空いていたら僕が座る。よっぽど優先しなければいけない人がいない限り譲ることはないだろう。
僕が住んでいる場所は、井の頭線の久我山駅。そこから渋谷までは15分。久我山駅から、渋谷駅までの道のりを描きます。来週からコンテンツに入っていくので楽しみにしてください。
この記事の目次
第1話 メガネリーマン
僕のベットの上でiPhoneのプルルントゥントゥントゥントゥンという音が鳴り響いている。
3回ほど繰り返したところで、僕は目が覚めた。
iPhoneに今日も勝てなかった。僕は4連敗をしている。
勝ち負けというのは、iPhoneのアラームなしで起きれるかどうかということだ。
外は、まだ少しだけ薄暗い。僕は外の景色を見て冬が近づいてきたなと感じた。
僕は、昨日帰り道にセブンイレブンでキムチチゲを買って帰った。
「寒い朝には辛いものたべたい。」と心の中で決めていた。僕の昨日の決心は間違っていなかった。美味しい朝ごはんを食べられると、1日楽しく過ごせる。
これは僕の中で鉄板の法則になっている。
そして、朝ごはんを食べ終わったあと歯磨きをし、顔を洗う。
僕は毎朝化粧水で保湿する。いつもお気に入りでつかっているのは、BULK HOMMEの化粧水。
リビングへ戻り、テレビをつけてめざましテレビで天気の確認をする。
時間は7時半を迎えた。それを見て、家を出る。
最寄駅近くのセブンイレブンで、ギャバのチョコレートを買う。最近疲れているせいか、甘いものが無性に食べたくなるのだ。
僕は、決まって7時45分発の井の頭線渋谷行きの普通に乗る。
久我山駅から乗ると、人がいっぱいで座ることができない。吉祥寺からたくさんの人が乗って、すでに座っている。
朝の井の頭線は渋谷までに降りる人が少ない。
しかし、その中でも降りる人が多い駅が、明大前駅と下北沢駅。
前者は京王線乗り換え、後者は小田急線乗り換え。
この2駅で僕が電車で座ることができるかどうかの勝負は決まる。
僕は、電車に乗った。案の定座ることができる場所がなかったので、優先席と普通の間の席の間の場所に立って、周りを見渡す。
ハゲ散らかしているサラリーマンがkindleを頑張って読んでいる姿、若く綺麗な女性が足を組みながらスマホを操作している姿、定期考査の前だから、高校生が一生懸命教科書を読んでいる姿。などが見受けられる。
僕にとって、他人なんてどうでもいい。
僕はただ電車に乗って座りたいだけなんだ。電車で座るためだったら、どんな手だって使う。ただし、座っている人をどけるということだけはしない。
そうこう頭の中で考えているうちに、永福町駅に着く。
次の停車駅は明大前、座れるかどうか勝負の時。
メガネをかけている一人の男性が座っている。彼は30代過ぎのサラリーマンだと推測される。メガネリーマンはスマホゲームをやっているようだ。
メガネリーマンは顔をしかめる。
メガネリーマンの心の中。
「うおおおおおおおっせっかくラプラスが出てきたのに、捕まえられなかった。最悪だ。これは一日中こたえるな。今日の仕事ほとんど手につねえじゃないか」
そして、メガネリーマンは電車のドアの掲示板を見た。
掲示板には「明大前」の文字。
「あっ次明大前か」と心の中で思う。
そして、スマホをスーツのポケットにします。
僕は、さきほどからメガネリーマンに注目していた。
彼がスマホをスーツのポケットにしまうのを見て、彼の席の前に移動した。
そして明大前到着。
僕の予想は的中。今日も電車に座ることができた。
絶対明日も電車に座るんだ。
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