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あらすじ
明日香は岡山県倉敷市出身。高校での彼女は東京への憧れがとても強い女性だった。兼ねてから夢である慶應義塾大学に見事合格。そして夢の東京の街での生活がスタート。しかし読者モデルになりたかった彼女は、慶応で満足いく大学生活を送ることができなかった。あることがきっかけで、SNSを利用して自撮りをアップし続け有名になっていく彼女。はたして明日香の結末は?
人物
川崎明日香 18歳 22歳(大学生)
今中裕子 22歳 (大学生)
畠山祐希 22歳 (大学生)
川崎紀子 47歳 (母)
大学二年生
大学一年生
ツイッタラー
編集者
◯明日香の実家
4年前。岡山県倉敷市にある実家の玄関。川崎紀子(47)が話しかける。
紀子「明日香。明日からあなたが夢に抱いていた東京生活ね。慶応に合格してくれるなんて思ってなかったわ。東京でも頑張ってきてね。」
川崎明日香(22)は嬉しそうに答える。
明日香「ママ。ありがとう。東京には夢がたくさん広がっていると思うし、慶応に通う読者モデルみたいな感じで有名になっちゃうかもね。」
○自分の部屋
四年後。ピンクのベットの上でiPhoneを手にする明日香。
部屋には、数多く存在するAKB小嶋陽菜のポスター。
そして、彼女のカメラロールには数え切れないほどの自撮り写真。
Twitterのツイート、Instagramのタイムラインに流れてくる
多くの芸能人の写真。
全てが仏のように神々しく眩しい。
明日香「私も自分の顔が多くの人に見てもらえる日が来たらなあ….」
そんなことを考えながら、静かに閉じる明日香の目。
○渋谷の居酒屋(夜)
道玄坂にある土間土間でテニスサークルの仲間と新歓の飲み会。
私が不得意な飲み会。
畠山祐希(22)が口を開く。
畠山祐希「1年生は、俺たちのこと知らないはず。だから、ゲームで楽しく自己紹介し ていこう。やるよー。第一印象ゲーム。」
大学一年生「志田未来似」
など横に座っている人の第一印象を伝えるゲーム。
明日香の横の人に回ってくる順番。
大学二年生「いとうあさこ似」
明日香の顔が曇る。
周りの大学生一同は笑っている。
◯明日香の家
私のベットの上にある私の不屈な顔。
思い出すだけで腹が立つあの声。
明日香「なぜ、私は馬鹿にされなければならないのか?」
部屋にある大きな鏡に映る私の顔。
明日香「私、馬鹿にされるほどブサイクじゃない。
SNSを使ったら、写真を加工して可愛く写すことができるんだから。」
私のTwitterに流れてくるアイドルの写真。
Googleに写真・加工・アプリと検索。
現れるMERYの記事。
BeautyPlusとLINEカメラをダウンロード。
明日香「このアプリを使いこなして、自撮りを毎日あげていこう。」
◯明日香の家(朝)
ベットの上で鳴り響く、iPhoneのアラーム。
曲は前前前世。
こじはると入れ替わっていることを期待。
いつもより長い化粧時間。
昨日ダウンロードした2つのアプリを起動。
なかなか可愛く撮れない私の顔。
明日香「しっかりしてよ、私の顔。SNSですら私の顔はいかされないの?」
Twitterに自撮りを初めて投稿。
ハッシュタグは明日香のジドリ。
明日香M「ジドリをカタカナにした理由は、本気さを軽減させるため」
Twitterのフォロワー数は200。
フォロー数は400。
◯電車の中(朝)
朝日が電車に差し込む。裕子はギュギュウの満員電車の中で立っている。
スマホにはTwitterのタイムライン。
明日香のアカウントが流れる。
裕子「明日香のジドリ?なんのことだろう?」
少し遅れて、写真が表示。
裕子「おっ、この明日香めっちゃ可愛いじゃん。」
微笑む裕子。
裕子「明日香はこれ毎日続けていくのかなあ?」
◯大学のキャンパス
学生たちが溢れかえっているお昼下がりの食堂。
明日香と優子の前にある豚しゃぶ定食。
明日香の定食にはついていない白飯。
裕子が嬉しそうに開く口。
裕子「明日香~。朝ね、電車の中でツイッターみてたんだ。そしたら、明日香のジドリって出てきて、何?って思った。
でね、その後、明日香の写真が2秒後くらいに表示されてびっくりした。
それにしても、今日の写真めちゃ可愛かったなあ。
明日香の頬は上がり、目線をそらし、下がる顔。
明日香「自分で自撮りをあげておいて、改めて褒めてもらっちゃうと、なんか照れくさ いね。おとといね、自撮りをちゃんとあげていこうって決めたんだ。
最近さ、SNSからモデルデビューしたり雑誌のコラム書いたりする人少しずつ増え てきたじゃん。私もそうなれたらなあと思ってさ。」
少し驚く優子の顔。
裕子「明日香、そこまで考えてやろうとしてるんだ。頑張ってね。応援してる。」
◯新宿紀伊国屋
ツイッターのフォロワー数を増やすための本を探す明日香。
明日香はみつけて、すぐさま購入。
◯電車の中
運良く座ることができた京王線。
購入した本を開く明日香。
本には「フォロワー数より、フォロー数を多くするな。プロフィールで何者かつたえ ろ。長い文のツイート。写真を多めに。ツイッター有名人をフォローして学べ。」
目からウロコの知識が溢れている本。
私は、カツセマサヒコさん、さえりさん、はあちゅうさんをフォロー。
◯明日香の家
いつも通りジドリ⇨加工の流れでツイート。
フォロワー数は230、フォロ数150。
◯明日香の家
半年後。手慣れた手順ですすめる明日香。フォロワー数は半年で3000。
一度、若い女性に人気のWEBメディア MERYでジドリ女子として、紹介。
明日香「ツイッターでジドリを始めてから毎日がものすごく、充実している気がしている。」
◯大学内
多くの学生達が休み時間うろうろしている。
女子大生「この前、MERYで特集されていま したよね」
と話しかけられる明日香。
明日香「はい」
と照れくさそうに答える明日香。
◯明日香の家(夜)
編集者から送られてきたダイレクトメッセージに釘付けの明日香。
某女性誌で明日香さんの特集を組みたいとの依頼のメッセージ。
◯学校
1ヶ月後。大学内はいつもどおりひとがうろうろしている。
女子大生「えっ、某女性誌で特集されていた人ですよね。」
明日香「はい。そうです。自分でもびっくりです。こんな顔なのに。ネットてすごいで す。」
明日香のスマホに表示されているツイッター。
フォロワー数は1万5000。
とてつもない某女性誌の反響。
◯学校の食堂
昼休みで賑わう食堂。
裕子「明日香~。それにしても、明日香の自撮りすごい反響だよね。親友としてびっくりだよ。」
明日香「そうだよね。私もびっくり。こんな大反響だなんて。」
◯明日香の家
ツイッターに流れる明日香のスッピン写真。
2ちゃんねるでまとめられている。ツイッターで誹謗中傷の嵐。
ツイッタラー「こいつクソブス。実際は化け物だ。」
何十万人の人が明日香の悪口。
減っていくフォロワー。増えていく悪口とスッピン写真。
明日香の手にはカッター。
◯裕子の家
明日香のスッピン写真をアップし続ける裕子。
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