
僕はおとといたまたまNHKを見ていた。すると「終わらない人 宮崎駿」という特別番組が13日に放送されるということを目にした。僕は作品を作りたい側の人間であるので、「この番組は見なければならない」と強く思った。宮崎駿さんの作品は数え切れないほど見てきた。しかし、宮崎駿さん自身がどのような人であるかということについてはほとんど知らなかった。日本人にとって、宮崎駿さんがどれだけ偉大な人であるかということは説明するまでもない。ましてや、アカデミー賞受賞(千と千尋の神隠し・ハウルの動く城)でされている人なので、世界にも評価されているのは間違いないのだが。
僕はこの番組を通して、初めて、宮崎駿さんの桁の違う執念を持っていてと作品作りへのこだわりの持ち主であることを初めて知った。さらに、ドワンゴの川上さんに想いをぶつけるところから、人間としての倫理観・人間らしさを非常に大切にしながら生きて、作品に表現しているということも改めてわかった。
この記事では、この番組を通して宮崎駿さんが人間が生きていく上で大切にしなければならないことを整理し、番組の1シーンから想像できること、僕自身の意見などを書いていきます。
- 宮崎駿さんの作品の数々
- 宮崎駿さんの言葉遣いが面白い,たとえば”才能を食べる”
- 宮崎駿さんはすべてのものに命が宿っていると考えている
- 50年間紙と鉛筆で作り続けてきた彼がCGで作ることを決意
- 1mmの動きにまでこだわる
- 一つのカットのためにこんなにも貫き通す
- 宮崎駿さんがドワンゴ川上さんにキレて熱い想いをぶつける
- 宮崎駿さんは”そのもののらしさ”を非常に大事にする
- 生きること=映画を作ること
この記事の目次
宮崎駿さんの作品の数々
僕は、一体宮崎駿さんはどれだけ作品を作ってきたのだろう?と気になった。そして、Wikipediaを見た。数え切れないほど多くの日本人が影響を受けた映画の数々が並んでいる。以下(wikipedia引用)




宮崎駿さんの言葉遣いが面白い,たとえば”才能を食べる”
昨日の番組を見ていて1つ感じたのが、使う言葉の表現が非常に面白いということ。
特に面白かったのが”才能を食べる”と”鉛筆が逃げる”という表現です。
後継者を育てられなかった
才能を食べる=後継者を育てられなかったことを意味して、発言していた。宮崎駿さんは後継者を育てられなかったことに対して、ものすごく悔しい想いをしているような気がした。才能がある人を見つけてしまうと、彼・彼女を育ててあげるという意思よりも、自分の作品をよりいいものにするために一緒に仕事をしていくという考え方になることによって、なかなか後継者が育てられないということがあったようだ。
疲れてきたら鉛筆が逃げる
鉛筆が逃げたのは、作品作りに没頭しすぎていた時のワンシーンで起こった。宮崎駿さんが、絵コンテを書き続けていた時に鉛筆が手から離れて落ちてしまったのだ。それを彼は”鉛筆が逃げる”と表現する。
僕ならば、”鉛筆が落ちた”としか表現することはできないだろう。
宮崎駿さんはすべてのものに命が宿っていると考えている
僕が、宮崎駿さんの考え方として少しだけ垣間見れたことは、彼はすべてのものに命が宿っていると考えているのではないだろうか。そのようなものの見方をしているからこそ、”鉛筆が逃げる”という言葉、さらには、トトロ、もののけ姫、風の谷のナウシカ、紅の豚などの作品の数々が生まれ続けてきたのではないだろうか。
50年間紙と鉛筆で作り続けてきた彼がCGで作ることを決意
昨日の放送で、宮崎駿さんは短編映画「毛虫のボロ」を製作していることが明らかになった。この作品は20年前の幻の企画だったものだ。あまりにも表現することが難しすぎて製作することを諦めていた。そんな時に、宮崎さんは、ベンチャー気質溢れる、CGアニメーター達に出会います。それでこれなら「毛虫のボロ」を作れそうだと実感して、初めてCGでアニメーションを作ることを決意する。50年間ずっと紙と鉛筆でアニメーションを作ってきた彼にとっては、大きすぎる決断をしたわけだ。
1mmの動きにまでこだわる
それは、毛虫のボロが孵化し、初めて世界に飛び出す瞬間のシーンのことである。宮崎駿さんはCGでの表現に全く納得できていない。ほんの1mmの毛の動きの違いがどうしても納得できていないのだ。「その毛の動きや目の動きでは、初めて世界に出てきた雰囲気を出すことができていない」と強く主張していた。そのワンカットのために、何百枚の絵コンテを作り、半年間考え続け、作っていた。
一つのカットのためにこんなにも貫き通す
僕はここまで自分の想いに忠実なのだと本当に番組を驚きました。どこまでもこだわり抜く宮崎駿さんの姿は圧巻でした。歳は関係ないかもしれないけれど、75歳でここまでグリット力(やりきる力)を持って作品作りに挑んでいる姿は本当にかっこよかったです。
宮崎駿さんがドワンゴ川上さんにキレて熱い想いをぶつける
www.youtube.com
宮崎駿さんがキレたきっかけは、ドワンゴ川上さんがプレゼンでAIを使った動きが何か作品の手助けにならないかということを伝えた。それに対して、宮崎駿さんは人間らしさを取り除いてしまい、自分の友達である障害者をバカにした表現であることに対して非常にキレたのだ。ネット民達が、川上さんがキレられていることを喜んでいることはバカバカしくてどうでもいいのだが、ここからもう一つ宮崎駿さんの大事にしていることが目に見えた。
宮崎駿さんがドワンゴの川上社長にキレてたシーンは圧倒させられた。あれによって宮崎さんが大切にしていることを再確認できたんじゃないかな。
— たっけ(竹田匡宏) (@takeee814) 2016年11月14日
宮崎駿さんは”そのもののらしさ”を非常に大事にする
宮崎駿さんが最も重要にしてるのは、そのものらしさだと思った。人間らしさ、昆虫らしさ、動物らしさ、魚らしさ。それを表現するのがアニメーション。だからAIを使っての動きを見て、そんな浅はかなものではないとメチャクチャキレたんよね。こんなにかっこいい人だと思わなかった。
— たっけ(竹田匡宏) (@takeee814) 2016年11月14日
個人的にも似たようなことを感じているケースがある。
ネットが普及し、テクノロジーが発達して、便利になってきた。たとえば、LINEひとつで簡単に相手と連絡を取り合うことができる。今回の場合であれば、人間の動きをCGでロボットがやるという提案だったのだが。
しかしあまりにも便利になりすぎてしまって、人間の大切な倫理観が失われてきてしまったのではないかということです。
川上量生をコテンパンにした宮崎駿の怒りをみて、IT革命後にもてはやされた経営者やオタクに一番欠落している倫理観、生命や人権への尊厳意識の低さを映像として可視化し理解できた。(こういう意味でもポリティカルコレクトを主張することを躊躇してはいけないと思う。)
— モア・リベラル☆勘違い保守は不要 (@make_the_peace7) 2016年11月13日
長編企画案を鈴木敏夫プロデューサーへ提案。川上会長、単に宮崎監督に怒られただけでなくって、あの「痛みを感じない不気味な動きへの不快感」が宮崎駿監督を再起へと動かしたのかもしれないと思うと、いい仕事したんじゃないかと思えるなー。
— たられば (@tarareba722) 2016年11月13日
今、この件に関して非常に議論が巻き起こっています。
生きること=映画を作ること
最後にナレーションで、宮崎駿さんは生きること=映画を作ることだと改めて再認識したのではないでしょうか?という言葉が非常にかっこいい。
本当に宮崎駿さんはかっこいい人間だなーと思いました。
次の作品が非常に楽しみでありますし、今までの作品を見返してみると違った見方ができるんだろうなと思います。
Youtubeに上がっておりましたので、番組をみてくださいね。
www.youtube.comこのDVDはしっかりと買って、見たいなあ。
宮崎駿 の プロフェッショナル 仕事の流儀 特別編 映画監督 宮崎 駿の仕事 「風立ちぬ」1000日の記録/引退宣言 知られざる… を Amazon でチェック! https://t.co/gNdyOkp2Qe @さんから— たっけ(竹田匡宏) (@takeee814) November 14, 2016
これも読もう。
鈴木 敏夫 の ジブリの仲間たち (新潮新書) を Amazon でチェック! https://t.co/qerwML5un6 @さんから— たっけ(竹田匡宏) (@takeee814) 2016年11月14日
この2つはあまりにも宮崎駿さんに感動したので、買ってしまいました。
長文に付き合ってくれてありがとうございます。
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