
あらすじ
小学校3年生のゆうきは、リレーでアンカーを任せられるが石ころにつまづいてしまって、チームがビリになってしまう。そのことがきっかけで、友達に1カ月友達をやめると言われる。ゆうきの悲しみは親にも伝わらない。そんなときにに突然現れたたすすきのゴンがゆうきにチームってなに?ということを説明する。
PS.絵本にできたらなあと考えています。
登場人物
寺田ゆうき(8)
ゴン (30)
寺田香織 (28)
寺田隆治 (31)
坂本蓮 (8)
井上隼人 (8)
先生
◯小学校の校庭
築30年の小学校。待ちに待った運動会の日。500名ほどの赤白帽をかぶった生徒たち。
寺田香織(28)と寺田隆治(31)
は寺田ゆうき(8)を見つめている。
香織「ねえ、りゅうじ。ゆうきさ、背はそんなに高くないけど、足だけは早いよね。そ れってりゅうじに似てるの?」
隆治「俺も小学生の頃早かったよ。でも、ゆうきのようにアンカーを任されたことはな かったなあ。あっリレー始まるぞ。」
◯同校庭
リレー走者の一人目坂本蓮(8)が走り出す。アンカーのゆうきは足をバタバタさせながら走者を見つめている。
そして、2番目のランナーにバトンを渡す。順位は1位。
3番目のランナー井上隼人(8)も一位の状態でバトンをもらう。
寺田M「ああああ、ついに順番が回ってきてしまう。アンカーだよ僕。こけたりして抜かされたらどうしよう。」
◯同校庭
寺田が井上から渡されたバトンを握る。
全速力で走っている。寺田の前に少し大きめの石ころ。
寺田M「あっ、やばい僕つまづいてる。どうしよう。」
◯同校庭
5分後。
先生「最下位のチームから発表するぞ。寺田 のチーム」
◯原っぱ
すすきが生い茂っている原っぱ。
寺田、坂本、井上が歩いている。
3人は原っぱの前で立ち止まる。
坂本「なあ、ゆうきー。なんでおまえこけち まったんだよ。
あのままいけば一番になれたのに。おまえにアンカーなんか任せなきゃよかった。」
井上「ほんとだよー。1位だったら俺たちは
小学校の間で英雄になれたかもしれないんだよ。お父さんが言ってたもん。小学生がモテるための最重要項目は走るのが速いことだって。」
寺田「ごめん……」
風が強く吹き、すすきが揺れている。
坂本「ゆうきに反省してもらうために、これから1ヶ月は友達やめよう。」
寺田「え….なんで….それはいやだよ。友達2人しかいないもん。」
坂本「まあそんなことしらなーい。」
井上「うん。じゃあな。」
寺田M「えっ、どうしよう。友達いなくなっちゃった。」
◯寺田家
机の上にはハンバーグとライスが並んでいる。3つの椅子に親子で座ってい る。
香織「ゆうき、今日は運動会お疲れ様。大好きなハンバーグ食べてね。」
寺田「おおおおお、ゆうきおつかれー!!頑 張ったなあ」
ゆうきがハンバーグを食べていた手を止める。
寺田「パパ、ママ。頑張ってなんかないよ。追い抜かされちゃったもん。全然頑張って なんかないよほんと。僕のせいで、チーム が負けちゃったんだ。」
香織「ゆうき、そんなことないわ。転んだとしても立ち上がって諦めずに走り抜いたじ ゃない。その姿勢ママは好きだったよ。
寺田「ゆうき一人のせいじゃない。チームで 負けたんだから、みんなで負けを認めない と。チームでアンカーをゆうきに決めたんだろう。」
寺田「うん…..でも….ごちそうさま」
寺田は階段を上がり、自分の部屋へと入る。
◯原っぱ
学校の帰り道、すすきの原っぱの前に
1人で寺田は座っている。
寺田M「なんで1ヶ月も友達なしで過ごさなきゃいけなんだよ。それに、1ヶ月後に友達に戻れるのかな。」
ゴン「ゆうき、大丈夫だよ。」
寺田は風にのって、自分の名前が呼ばれた気がする。
ゴン「ゆうき、こっち向いてよこっちだよ。
前見て。」
寺田は前を向く。
すると、すすきがこちらを見て、喋っている。
寺田「えっ、なんですすきがしゃべれるの?
それにちょっと、すすきにしては眉毛太いし、目がクリクリしすぎてない?」
ゴン「ゆうき、余計なお世話だよ。」
寺田「なんで、僕の名前知ってるの?」
ゴン「昨日の君たちを見ていたからだよ。」
寺田「えっそうなんだ。君の名前は?」
ゴン「ゴン。」
寺田「ゴンっていうんだ。でも、またなんでぼくにしゃべりかけてくれたの?」
ゴン「ゆうきが何か困ってそうだったから、助けてあげようと思ってね。何か悩んでい るの?」
寺田「リレーで僕がこけちゃったせいで、チームが負けちゃったんだ。それで、1ヶ月間友達やめるって言われちゃった….」
ゴン「そうなのか。それはとても辛い思いしてるね。
でもね。あっ、5分経ってしまった。僕は1日5分間しか人としゃべることができないんだ。他にも決まりごとがあるんだけど。じゃあ、また明日ね。」
寺田「あああああああ」
ゴンの声はしない。寺田は歩き出す。
◯寺田家
テレビがついているリビング。香織と寺田はソファーに座っている。
香織「ゆうき、少しは元気でたー?隆二と二 人で心配してるんだよ」
寺田「ママ、ちょっとは元気でたよ。だってね、すすきのゴンがね悩み聞いてくれたんだ よ。」
香織「鈴木勤?誰それ?」
寺田「すすきのゴンだよ。すすき。」
香織「あのひょろひょろで見ているだけで寂しい気持ちになるすすき?」
寺田「それって、すすきのごんに失礼じゃな い?」
寺田「僕にはとてもあったかいものだよ」
香織「ちょっとゆうき大丈夫かしら?隆二。ゆうきがすすきとしゃべったとかわけわか らないこといってるんだけど。ちょっときてー。」
隆二が階段から降りてくる。
寺田「ゆうきすすきとしゃべったのかい?そのすすきはなんていう名前?」
寺田「ゴン」
寺田「ほーゴンっていうんだ。」
◯原っぱ
学校の帰り道。すすきの原っぱ。
寺田「ゴーン。」
ヒューンと風の音が響く。
ゴン「おっす、ゆうき。今日も来てくれたんだね。
今日は、ゆうきがんでいる、チームってものについて説明するね。」
寺田「うん。」
ゴン「チームはね、何か大きな目的を達成するために必要な組織なんだ。
だからね、今回のリレーの場合、リレーで一等賞を取る目的を果たすためのチーム。
そこで、リーダーシップって言葉が出てくるんだけど、リーダーシップというのは、チームの目的を果たすために一人一人が考え行動すること。
リーダーシップのスキルは算数や国語 みたいに身につけられるんだ。日本人の多くは、生まれ持ったものだと思っている人 多いんだけどね。小泉総理大臣だって、勉 強したはずだよ。
寺田M「小泉さんってあの目の細いサンタクロースみたいな人のことかな?
りゅうちぇる民営化?郵政民営化?よくわかんないけど、そんなこといってたひとかな。
あの人滑舌はあんまりよくなかったけど、勢いだけはあったような気がする。」
ゴン「だからね、それをゆうきのせいだけにするっていうのは間違っているんだ。
ゆうきだって、ちゃんとチームのためにリレーをアンカーで走るっていう決断には賛成して行動したじゃない。
あとは、走り抜く力が足りなかっただけだよ。
そこは、次の宿題にすればいい。
結局ね、何が言いたいかって、自分だけの責任って考えなくていいよ。
自分が苦しまないように、どう楽しめばいいのか?って考え方を持った方がいいよ。
だから、頑張るんだよゆうき。明日ゆうきだして、友達にこのこと伝えてみて。」
寺田「うんっっっっっ。」
と満面の笑みで走り去っていった。
参考にした本は採用基準
僕の中で、採用基準の内容をどのようなストーリで伝えれば小学生でも理解できるのか?を考えた時に思いついたのがすすきのゴン。
この本は結構自分の中で影響されています。
伊賀 泰代 の 採用基準 を Amazon でチェック! https://t.co/OfoPfAkpTY @さんから— たっけ(竹田匡宏) (@takeee814) December 29, 2016
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